猫のワクチン接種の必要性
生まれて間もない仔猫ちゃんは、病気に対する免疫力が全くありません💦
そのため仔猫ちゃんは、初乳(出産直後に出る母乳)を飲んで免疫力をつけます。
母乳に含まれる抗体によって、さまざまな病気から守ってくれるんですね♡
しかし、成長とともに少しずつ免疫力は弱くなり、8~9週間経過すると免疫力が低下してきます。
この頃に、最初のワクチン接種を行い、生後16週までに複数回、その後は定期的にワクチン接種を行います。
保護猫ハヤちゃんは初乳を飲んでいなかったので、生後4週頃から数回ワクチン接種を行いました。
三種混合ワクチンって?
ワクチンを接種すると、感染症に対する免疫力をつけることが出来ます。
いろいろなワクチンがありますが、中でも次の “三種混合ワクチン” は、全ての猫ちゃんに接種する事が推奨されています。
猫ウイルス性鼻気管炎(ねこういるすせいびきかんしえん)
人間の一般的な風邪と同様、このウイルスは上部気道に感染を起こし、猫から猫へ伝染します。
とても感染力が強く、主な症状は、微熱、食欲不振、くしゃみ、めやに、鼻水、咳などです。
重症化すると、肺炎やウイルス血症を引き起こし、死に至る事もあります。
この病気にかかった猫ちゃんは、回復後も、生涯にわたりウイルスを保持し、免疫力の低下などにより再活性化します。
子猫に限らず免疫のないすべての猫にとって危険な病気です( •̥ࡇ•̥ )
猫カリシウイルス感染症(ねこかりしういるすかんせんしょう)
このウイルスも、猫の上部気道に感染を起こします。
とても感染力が強く、主な症状は、元気がなくなる、発熱、くしゃみ、 鼻汁、流涙などの呼吸器症状のほか、発熱、舌や口腔内の水胞形成と潰瘍、肺炎などです。
猫カリシウイルスは変異が激しく、近年では、 “強毒全身性ネコカリシウイルス” が報告されています。
発熱、皮下浮腫、頭部や下肢の潰瘍、黄疸などの全身症状など、重度の病気を引き起こし死に至る危険性があります。
この病気にかかった猫ちゃんは、回復後も、数年にわたり感染力を持ち続ける事もあります。
猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)
とても感染力が強いウイルスで “猫伝染性腸炎” とも呼ばれ、とくに仔猫や若い猫が発病しやすく、ウイルスに感染してから短い潜伏期間で(数日)症状が現れます。
主な症状は、元気がなくなる、発熱、下痢、嘔吐、重い脱水症状で、血便がみられることもあります。
この病気は、体が細菌などと戦うために必要な白血球が非常に少なくなるので “汎白血球減少症” という病名がつけられています。
白血球の減少により、いろいろな病原体に対する抵抗力が低下し、死に至る危険性があります。
室内飼いだからワクチンは不要?
ワクチンの重要性は分かってるけど、「完全室内飼いだからワクチン接種は必要ないでしょ?」という声を、よく聞きます。
私もそう思っていました。
しかし、いろんな所に感染源はあるんです。
飼い主さんや来訪者の衣類や靴などから、猫ちゃんのいる家の中に持ち込まれる事もあります。
ワクチン接種を受けていない野良猫ちゃんの平均寿命は6年未満と言われていますが、ワクチン接種や医療ケアを受けている室内飼いの猫ちゃんの寿命は17年と大きな差があります。
ワクチン接種をする事で、助かる命がいっぱいあるんですね。
母猫の初乳の抗体に代わるのがワクチン接種です。
愛する猫ちゃんのための最低限のケアとして、ワクチン接種をしてあげましょう。
ワクチン接種の副反応
ワクチンは人間の予防接種と同じで、体内に毒性のない病原体を注射して、免疫(抗体)を作ります。
そのため、ワクチンを接種すると体内で病気にかかった時と同じような反応が起きます。
人間もそうですが、発熱したり体がだるくなったりする猫ちゃんもいます。
また、稀に副反応が強く出る猫ちゃんもいます。
急にグッタリしたり、食欲がなくなる、呼吸困難、顔が腫れる、皮膚が赤くなる、痒くなる、下痢や嘔吐などの症状が出る場合があります。
アナフィラキシーショック(急性の虚脱、呼吸困難、体温低下、痙攣など)などが出る場合があります。
ワクチン接種を診療時間ギリギリに受けると、何かあった時に処置をしてもらえない事も。。。💦
午前中など出来るだけ早い時間にワクチン接種を受ける事、また、ワクチン接種後は猫ちゃんに変化がないか観察をして、副反応が出てもすぐに処置をしてもらえるようにしておくと安心ですね。